勝山温泉センター水芭蕉

地層の形状から着想を得た家具の製作

福井県勝山市にある温泉施設勝山温泉センター水芭蕉の家具を製作させて頂きました。

この施設の全体の形状は、北陸に広がる地層である手取層群をモチーフとしており、
設計は、北海道在住の建築事務所、三木佐藤アーキさんが行っています。

面材には、福井県産の杉の柾目材を使用しています。
家具は1つとして直角がない複雑な形状で、製作は困難を極めました。

表面の仕上げは茶色を基調としながらもコントラストをつけ、複数の色で塗り分けられています。

また、ソファーの生地には恐竜の柄があしらわれたオリジナルのものを使用しました。

さらに、柱を囲うように天井から吊るされた変則的な五角形の照明も製作しています。

今回の物件については、3DモデリングとCNCルーターの活用は必須でした。

全ての家具において3Dモデリングを作成し、複雑な形状を一度パソコン上製作をしています。

それにより得られたCADデータをもとに複雑な形状のパーツをCNCルーターで成形し、組み立てを行っています。

 

 

勝山温泉センター水芭蕉

設計/三木佐藤アーキ

施工/大北久保建設

サインデザイン/TSUGI

家具製作/株式会社Tanzen

 

製作過程

 

スケッチアップによる3Dモデル

↑ 提供頂いた図面データをもとに株式会社Tanzenで製作した3dモデル
3Dモデリングについての記事はこちら

 

 

オーダー家具配色の検討

↑ 配色も3Dで検討 実際の杉集成材をスキャンしたものを画像編集しテクスチャーとして貼り付け

工場での仮組み

↑ 工場での仮組み CNCルーター(写真奥の白いマシン)で切り抜いた型をもとに組み立てていく

家具の巾木

↑ 家具の上下を反転させた状態 複雑な形状にオフセットさせた巾木を取り付ける

温泉水芭蕉の工事中

↑ 現場への搬入設置開始 家具を設置すると照明の設置が困難となるため、まずは照明から

温泉水芭蕉の工事中2

照明の吊り上げ 現場に居合わせた職人さんに手助け頂きました

温泉水芭蕉の工事中3

↑ 現場のRCの柱もなぜかいびつな四角形でした。それに更に複雑な形状を嵌め込む変態的な納まりwww

温泉水芭蕉の照明

↑ 照明に電気が入る 「おお、キレイ〜」と現場で感動

温泉水芭蕉の工事

↑ 工事終盤の様子

温泉水芭蕉のソファ

↑ 工事も終盤 もう埃も出ないだろうというタイミングでソファの座面の設置

 3D上で検証をして型板を作って製作を依頼してるとはいえ、複雑な形状なので緊張の一瞬。

 座面の製作には京都の村上椅子さんにお世話になりました。

オリジナル金物

物販用什器の金物脚も特注で製作しました。スチール脚の製作はいつも安心してお願いできるTRUNK さんに

以上、勝山温泉センター水芭蕉の製作過程でした

改めて多くの方のお力添えがあってなんとか納めることができた物件だと実感しました。感謝