代表へのインタビュー
Q:家具をデザイン・製作するにあたってどのような事に気を付けていますか?
デザインにおいては、極力シンプルにする事を心掛けています。
余計なものを排除し機能的に意味のない装飾等はあまり施しません。
北欧家具がとても好きなのでそれらのデザインの影響を受ける事はあります。
数十年たっても見劣りすることのないモノを製作したいと思っています。
製作においては国産の木材を積極的に使うようにしています。
これもデザインをシンプルに、という考えの一部だと思っています。
数千キロも離れた海外から運ばれてきた木材を使うよりも明らかに合理的です。
Q:なぜ国産の木材を使って家具作りをするようになったのでしょうか?
木工所を始める前に1年間の木工研修留学でドイツに滞在していたことが影響していると思います。
そこで師事したマイスターはヨーロッパのチェリーやウォールナットなどの木材を使って家具を制作していました。
帰国後は私もそのような材料に憧れてウォールナットやチェリー材を使って家具作りを始めたのですが、ふと違和感を感じた瞬間がありました。
「日本で家具を作るなら、日本の木材を使うべきだろう」と
その後、 色々と調べていくうちに国産材の抱える多くの問題を知るようになり 一層国産材利用の必要性を感じるようになりました。
Q:国産の木材を利用するにあたって具体的にはどのような問題があるのでしょうか?
戦後復興のため多くの杉やヒノキが日本の山に植えられたのですが現在それらの木材は利用しきれていない状況です。
理由は海外からの安い輸入木材によって日本の林業が衰退してしまったことがあります。
山に木が増えすぎたことによって土砂災害が起こったり
スギ花粉で困っている人が増えたりと見過ごすことの出来ない問題が発生してきています。
日本の山にはたくさんの木があります。
それはもっとたくさん使わないと問題が発生してしまう位たくさんあるのです
このような状況で遠路遥々、北米や東南アジアからタンカーに載せられて二酸化炭素を排出しながら運ばれてきた木材を使用することは、真摯なモノづくりには適していないと思うのです。
Q: 国産の木材の良さについて教えてください
国産の木材は高いと思われるかもしれませんが決してそんな事はありません。
昨今の世界情勢で輸入材は高騰しており、外材は益々高価になっています。
香りが良いともよく言っていただけます。
杉やヒノキの香りは日本人にとってはどこか懐かしい、リラックスできるような効果があるのではないでしょうか。
桜やクリ、ケヤキ、楓、ナラなど街路樹で見かけたり、近くの山に生えている木で作られているものは、親近感から愛着が持てると思っています。